法人のクリニックに限らず、個人のクリニックであっても、「決算書」は必要不可欠です。そして、ほとんどのクリニックが、会計事務所と契約して、決算書を作ってもらっていることと思います。しかし、「会計事務所から決算書をもらっても見たくない」「決算書には一応目を通すが、内容がわからない」とおっしゃる院長先生や奥様も少なくありません。

 では、「決算書は何のために作る」のでしょうか?

 「税務署に出さなければならないから・・・」、「銀行などに借入れするのに、出さなければならないから・・・」だけなのでしょうか?

 「決算書」を作る意味は、それだけではありません。もっと重要な意味があるのです。

 先生方のクリニックでは、患者さんの病状や検査結果等を「カルテ」にまとめられています。その「カルテ」を見れば、患者さんの状態がわかるように、「決算書は、クリニックにとってのカルテ」なのです。そこには、多くの情報が詰まっているのです。

 一見すると、「勘定科目と数字の羅列にすぎない決算書」でも、税務署は、それをもとに調査に行く先を決め、銀行等は、融資の可否を決めているのです。せっかくお金をかけて作った「クリニック経営に重要なカルテ」なのですから、その決算書を十分に理解し、税務署や銀行が自院の決算書をどのように見ているのか知りたいと考えられる院長先生や奥様も増えてきました。

 しかし、患者さんの対応等で忙しい毎日を送られている先生方ですので、なかなか経理を勉強する時間もないですし、はっきり言って教えてもらう相手がいないのが現実ではないでしょうか?