前回の続きとなりますが、「複数の採用選考方法の実施」についてご紹介したいと思います。

 「全ての労務トラブルは採用から」と言われているように、問題のある人は採用時に避ける必要があります。入口である採用に注力することは労務トラブル回避には非常に有効です。

 あるクリニックでは、仕事をしない看護師さんに辞めてもらうために多額の金銭を支払いました。人は簡単に採用できますが、辞めてもらうことは簡単ではありません。

 重要なスタッフの採用を一回の面接だけで判断してしまうのは、あまりに危険で、リスクが高いと思いませんか?
先生が開業するクリニックでは、どのような人を採用したいですか?

 明るい、素直、責任感がある、気配りができる、コミュニケーション能力が高い、向上心がある、前向き、忍耐力がある、理解力が高い、論理的、洞察力がある、リーダーシップがある……など、院長先生方が求める人間力は、性格、能力共に多岐にわたっています。

 そのような資質を一度だけの面談で見抜けるでしょうか?何十万人と面接をしてきた人であれば、自分の中にデータとして蓄積されてきたもので判断できるかもしれませんが、通常であれば、一度で見抜くことは不可能に近いと思われます。

 求める人間力を判断するために、その人の持つ「思考」や「発想」をみる試験や、行動をさせて「行動特性」をみる試験などがあります。

 思考や発想などからは、メンタル面なども併せてみることが出来るものもあります。行動特性については、言語と一致しているかどうかの判断もできます。

 求める資質や人間力を見極める選考方法をいくつか組み合わせて、最後に面接で確認するといった方法をおすすめいたします。いろいろな選考方法がありますので、ご自分にしっくりくるもの、フィットするものを掛け合わせると良いでしょう。

 開業にあたって、スターティングメンバーは非常に重要だということはご承知だと思います。納得のいく方法で、納得のいく人材を採用してください。