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医業経営情報&コラム

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「終わり良ければ全てよし!」と言いますが、労務についても全くその通りです。

全てのスタッフが円満に辞めるとは限りません。

 ある日、スタッフが突然来なくなり、連絡が取れなくなったとします。スタッフがクリニックに不利益な行為をし、揉めた末に辞めた等、円満な辞め方でない場合は、退職時の取り決めができない場合もあります。


 雇い入れ時に提出を求めることが多い誓約書ですが、誓約書自体は法律で決められているものではありません。内容も自由に決められます。そのため、誓約書の内容も吟味することが重要になります。業務上知り得た秘密事項などについては、秘密保持として雇い入れ時と退職時の二段階方式で誓約書を取ると良いでしょう。

 しかしながら、円満退職といかない場合、退職時に誓約書の提出してもらうことが難しい場合もあります。そのようなケースも考慮し、雇い入れ時の誓約書に、秘密保持の内容を入れ込むことをおすすめします。

 また、連絡が取れないまま欠勤状態になった場合などを想定して、「○日以上無断欠勤をした場合、△日を持って退職の意思表示とします」、などのような取り決めをして、表記をしておくとよいでしょう。

就業規則がある場合は、就業規則にも規定しておきましょう。

初めに取り決めをしておかないと、何日も無断欠勤をした挙句、ある日ひょっこり戻って来て、「私は退職すると言っていない」など無用のトラブルになる可能性があります。内容を工夫することなく、雛形の誓約書を使うことはリスクもあります。

 開業準備として労務に関しての書類も、ご自身のクリニックにあうものを作成してみてください。初めにしっかり考えておくことは、お互いのためにもなります。

 前回の続きとなりますが、「複数の採用選考方法の実施」についてご紹介したいと思います。

 「全ての労務トラブルは採用から」と言われているように、問題のある人は採用時に避ける必要があります。入口である採用に注力することは労務トラブル回避には非常に有効です。

 あるクリニックでは、仕事をしない看護師さんに辞めてもらうために多額の金銭を支払いました。人は簡単に採用できますが、辞めてもらうことは簡単ではありません。

 重要なスタッフの採用を一回の面接だけで判断してしまうのは、あまりに危険で、リスクが高いと思いませんか?
先生が開業するクリニックでは、どのような人を採用したいですか?

 明るい、素直、責任感がある、気配りができる、コミュニケーション能力が高い、向上心がある、前向き、忍耐力がある、理解力が高い、論理的、洞察力がある、リーダーシップがある……など、院長先生方が求める人間力は、性格、能力共に多岐にわたっています。

 そのような資質を一度だけの面談で見抜けるでしょうか?何十万人と面接をしてきた人であれば、自分の中にデータとして蓄積されてきたもので判断できるかもしれませんが、通常であれば、一度で見抜くことは不可能に近いと思われます。

 求める人間力を判断するために、その人の持つ「思考」や「発想」をみる試験や、行動をさせて「行動特性」をみる試験などがあります。

 思考や発想などからは、メンタル面なども併せてみることが出来るものもあります。行動特性については、言語と一致しているかどうかの判断もできます。

 求める資質や人間力を見極める選考方法をいくつか組み合わせて、最後に面接で確認するといった方法をおすすめいたします。いろいろな選考方法がありますので、ご自分にしっくりくるもの、フィットするものを掛け合わせると良いでしょう。

 開業にあたって、スターティングメンバーは非常に重要だということはご承知だと思います。納得のいく方法で、納得のいく人材を採用してください。

多くの院長先生は、「優秀な人を採用したい」「良い人を採用したい」とおっしゃいますが、

クリニックによって「優秀」や「良い人」の定義が異なります。

他のクリニックにとって優秀で良い人が、自分のクリニックにとって良い人材とは限りません。

 5/15のコラムの図にある「人材要件」とは、採用する職種や仕事に必要なスキルや人的な要件のことです。

この人材要件は3つ決定してください。具体的に、そして誰が聞いても分かる言葉を使ってください。

例えば、常に明るく笑顔で患者様と対応することができる、患者さまの容体を的確にドクターに伝えることができる、等…。

身近にモデルとなる人がいれば、その人の特徴や行動をピックアップして、参考にしてみることも有効です。

 そして、決定した3つの人材要件をチェックするための質問を5つ用意してください。

その質問に対して判断軸となる回答を設定し、○(合格:2点)、△(及第点:1点)、×(不合格:0点)として

10点満点中、7点以上なら採用、4点以下は不合格、6~5点は他の候補者と比較検討などと採点基準を決めておくことをおすすめします。

 面接前に、質問内容と判断基準を用意しておくことが重要なポイントです。

 人材要件が定まっていないことが非常に多いのか現実です。

人材要件が定まっていなければ、面接でも質問が定まりませんし、判断基準も持てません。

 開業前にご自分のクリニックに必要不可欠な人材要件を、しっかりじっくり3つ考えてみてください。

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