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医業経営情報&コラム

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クリニック経営を考えた場合、「育てる力」という視点で経営の状態を把握することができます。あなたのクリニックは、どのくらい どんなところ が強いのでしょうか?

 これを明確にするには、経営分析をして、「育てる力」の分野を調べます。

 この分野は、3つです。

(1)収益性: クリニックが成長・発展していくために必要な収益が獲得できたかどうか
 
(2)生産性: 経営資源と呼ばれる「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を院内に投入し、いかにローコストでスピーディーに行なわれ、更に患者満足を高め、それをどれだけ効率よく提供し得たか
 
(3)成長性: クリニックに投下された「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」が、毎年継続的に効率良く活用され、成長・発展に向けて活動がとられているか

 さて、これらを一言でまとめると、以下の通りです。


利益率が高く、一人あたりの稼ぐ額が大きく、それが毎年毎年増加している

という事になります。

 このようにまとめても、実際どうすれば、この強さのレベルがわかるのでしょうか?

 それには、それぞれの分野について、決算書の数字を分析し、平均と比較をしたり、得点をつけてみます。すると、それぞれの強弱の加減がわかります。

 そして、強い分野はより強く、弱い分野を改善します。その手法は様々ですが、「育てる力」を強くするヒントは、以下の通りです。


Ⅰ無駄なコストをかけていないか?
Ⅱ事務間接経費に無駄はないか?
Ⅲ一人あたりの医業収益は標準以上か?
Ⅳ減少している項目の原因分析はできているか?

   
 これらをチェックし、改善することで、「育てる力」が強化されます。

経営安全率

 どれだけ医業収益があれば損益トントンになるかの医業収益を示す「損益分岐点医業収益」と、現在の医業収益を比べて、赤字に転落するまでどれだけ余裕があるかを見るものです。

 たくさん余裕があるといいですよね。

 ところで、損益分岐点医業収益って、どう計算するんでしょう。


<計算式が、ズバリ これです>
損益分岐点医業収益 = 固定費÷限界利益率


 事例で話を進めましょう。

 あるクリニック(Aクリニック)の固定費が1000万円だとしましょう。固定費とは、医業収益に関係なくかかる経費ということになります。例えば、人件費や電気・水道・接待費などがあります。

 そして、入れと委託費が医業収益に占める割合が、60%としましょう。  つまり、1000円の医業収益を得るのに、仕入れと委託費で600円かかる場合です。この時の限界利益は400円になります。(1000円-600円=400円 この400円は、粗利益とも言います)

※ 限界利益とは、「医業収益から変動費(薬品仕入や委託費)を引いたもの」です。算式は、以下のようになり、この限界利益が高ければ高いほど、クリニックの収益力は高いのです。


  限界利益 = 医業収入 -(薬品仕入+委託費)

また、限界利益率とは、医業収益に対する限界利益の比率のことであり、以下のような算式で求められます。
  限界利益率=限界利益/医業収益×100(%)

 この場合、限界利益率は、40%となります。
そうすると、1000万円の固定費をまかなえる限界利益を生み出す医業収益は・・・

  1000万円÷40%=2500万円となります。

 この時、損益トントン(経常利益=0)であったとすれば、損益分岐点医業収益が、2500万円です。

 いかがですか?そして、このAクリニックの現在の医業収益が3000万円としましょう。

 そうすると、医業収益が500万円下がった時が、損益分岐点ですから、その割合は、500万円÷3000万円=16.7%となります。医業収益が16.7%減少した時、利益がゼロになるということです。この率が、
経営安全率となります。

 さて、あなたのクリニックの経営安全率は、どのくらいでしょうか?

先生のクリニックは、どれだけの資産で経営していますか?
資産と言っても、いろいろありますよね。

 例えば、
ⅰ現金・預金
ⅱ医業未収入金
ⅲ薬品・診療材料
ⅳ土地・建物・医療器械・車両・備品
ⅴ出資金・投資有価証券・保険積立金 など・・・ 
 

これらの資産を運用して、クリニックは経営活動をしています。この資産には、全て資金が使われているのですから、資産が少ないほうが、少ない資金で会社を運営しているとも言えます。

先生のクリニックは、いくらの資金をお使いでしょうか?
そして、その資金はどのくらい「回転」していますか?

この資金の「回転」とは、どういうことでしょうか?

それは、「医業収益という金額で、資金を回収し、回転させている」と言えます。

例えば、総資産5000万円のクリニックが2つあります。 Aクリニックの医業収益は、年間5000万円。それに対し、B医院は、1億円あったとします。

さて、この2つのクリニックでは、どちらの方が、資金性が良いでしょうか?

「総資本回転日数」という指標を使って見ましょう。これは、総資産に使われている資金量を、何日で医業収益に出来るかを見るものです。

Aクリニックは、
5000万円の医業収益÷5000万円の資金=1回
となります。つまり、1年(365日)で資金が1回転したことになります。

B医院は、
1億円の医業収益÷5000万円の資金=2回
となります。つまり、1年で2回転しますから、1回転するには、半年(182.5日)かかります。

そうすると、B医院は、Aクリニックの2倍早い回転日数となり、B医院の方が資金性が良いと判断されます。

先生のクリニックの総資本回転日数は、どのくらいでしょうか?

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